危機の真の原因
時計工業を襲っている危機の真の原因は何なのか、そしてこの危機に対してどう対処すべきなのか。
これが当時スイス時計工業が直面していた最大の課題でした。
そのときファーヴル=ペレが提起した対策案は、スイスもアメリカ式製造方式を採用すべきだという主張です。
もとよりこの主張がそのまま受け入れられたわけではなかった。
むしろファーヴル=ペレの主張に批判的な意見が多かった。
手づくりのウォッチの方がやはり優れているし、アメリカでさえ良質の時計は手づくりに頼らざるをえないとして、旧い方式に固執する態度がみられた。
とはいえ、フィラデルフィア博を契機に、スイスは手づくりの良さを保ちながら部品互換方式へ転換してゆくのです。
スイスを凌駕したアメリカ時計工業、その基礎になったアメリカ式製造システム。
どうしてアメリカがそれほど急速に時計工業の分野に飛躍的な進出をとげるのでしょうか。